キャッシュレス決済ポイント還元

消費税増税に伴う施策としてキャッシュレス決済ポイント還元制度があります。

私もQRコード決済を利用していますが、税務通信で当該ポイントの処理について記載がありました。

具体的には即時充当の場合に割引券等を利用した取引と変わらないように見えるが、そもそも即時充当のポイント還元が値引(仕入対価の返還等)に該当するか否か等についてが論点です。

結論的には、当該還元は,公的な国庫補助金を財源としたポイント等の付与であり,消費者から決済事業者に対する何らかの資産の譲渡等の対価として支払うものではないことから,消費税は不課税となるとの事で、処理としては還元額を不課税の雑収入として処理する事になります。

税務上ののれん

清文社の問答式法人税事例選集を読んでいて、とある問答で若干混乱したので頭を整理して備忘したいと思います。

その問答の要約としては、ざっくりですが、

問:債務超過の事業を譲受したときの営業権をどうするか?

答:営業権は税務上の適正な評価額で計上すべき、譲受対価の額が当該営業権を加味した譲受事業の適正な価額を超えているときは、当該超過額は寄付金となる。

というものでした。

そもそも税務上ののれん=営業権=資産調整勘定という安易な認識だったため、?でした。

ここで、法人税法62条の8①には営業権も資産調整勘定の計算において移転を受けた資産に含める旨記載があります。

要は無形固定資産である営業権と資産調整勘定は違うものですよという事ですね。

いずれも月割計算で60カ月に渡り損金算入することになりますので、一緒くたにしても影響なさそうですが、厳密には営業権は償却で資産調整勘定は償却ではなく減額という言い回しで、なおかつ「減額しなければならない。」と法人税法62条の8④に記載がありますので強制のようです。

あと、直前において行う事業及び当該事業に係る主要な資産又は負債のおおむね全部の移転に該当すれば超過額は資産調整勘定になると思うのですが、超過額を寄付金と回答しているためこのケースではそれには該当しないという事でしょうか。

この点は条文からは分からなかったのですが、それ以外はすっきりしました。

RPA研修②

前回受講した会社のRPAとは別のRPAの研修を受けてきました。現在の状況としてはRPAを業務に組み入れることは決まっていて、どちらかのRPAを使って行くかを選定しているというような状況です。

前回研修を受けた時はある程度手探りでいくつかのスクリプト作成をしていた状態での受講だったため、すんなりと入る事ができ、あらかじめ用意しておいた分からない点も質問して潰す事が出来たのですが、今回のRPAの研修は研修前に自分で手探りでまずスクリプトを作ってみようと思ったものの、やり方が分からず、心が折れてしまってほぼまっさらな状態での受講でした。

受講した感想としては今日研修を受けた会社のRPAは正直難しかったです。例え私が時間を掛けて慣れたとしても、正直これを会社の他の人に展開するには時間的な問題等でかなり厳しいのではと感じました。

しかしながら今日のRPAの方が年間コストも安いし大手なんでどうしたものかという感じです。

ベトナム出張

ベトナムに出張に行ってきました。技能実習生の送り出し機関や、ベトナムの大学を訪問したり等、視察の意味合いの強い出張でしたがかなり充実したものでした。ホーチミンとハノイに行きましたが、街は活気があり、ベトナムの大学生は澄んだ目をして一生懸命勉強をしていました。

ベトナムの経済の成長率は7%超で推移しているようですが、このままだと本当に日本大丈夫かなと思ってしまうくらい、高い成長率の国という事は実感出来るものでした。

とはいえまだ発展途上国ですので、日本との賃金水準との違いや経済格差も当然存在するため、日本語を必死に勉強して日本で働く事を目指す方も多いようですが、期限付きの技能実習を終えて戻っても、日本との賃金ギャップがあるため希望するような就職は難しいという現状もあるようです。

初めてベトナムに行きましたが、当然ながら諸々思っていた事と実際は違うという事も多くあり、ベトナムの印象がだいぶ変わる出張でした。

セール・アンド・リースバック取引

クライアントでセール・アンド・リースバック取引の事案が出たのですが、リース取引に関する会計基準については勉強したことがあり、処理として長期前受収益の認識をして取崩してみたいな記憶はあったのですが、そういえば実務上直面したことは無く、恥ずかしながら会計上はともかく税務上はどうなるのだろうと考えた事すら無かったので調べました。

税務上は当該取引が実質的に金銭の貸借であると認められるかどうかで判断が分かれるようです。因みに、金銭の貸借と認められる場合は、譲渡人が譲受人に代わり資産を購入することに一定の理由があり、かつ、譲渡人が購入価額で譲受人に譲渡する場合です。

そして上記判断基準から、金銭の貸借と認められない場合は通常の固定資産売却及びリース取引として扱い、金銭の貸借であると認められる場合はその資産の売買はなかったものとし、かつ、譲受人から譲渡人に対する金銭の貸付があったものとして、所得の金額を計算することとなるとの事です。

とすると、例えば金銭の貸借と認められる場合で所有権移転外ファイナンス・リースの場合等には、税務上は元々の固定資産の償却が継続となり、会計上はリース期間定額法でリース資産を償却という形になるため、償却費がずれることになります。なんかややこしいですね。

RPA研修①

先日書きましたRPAの続きでもあるのですが、先週末RPAの操作方法の研修を受けてきました。

部分的な業務負荷軽減が目的な事や費用等の面からサーバー型やクラウド型では無く、デスクトップ型での導入を検討しており、まだ無料お試し期間中の段階なのですが、日々一喜一憂です。

勿論利便性は自動で動いて処理してくれるので、例えば日々繰返しの単純作業等ではスクリプトが完成すれば後は起動時間を設定してほったらかしていれば良いのですが、実際にはそう簡単にはいかず、完成したと思っても諸々アクシデントが起きて止まってしまう事があります。

例えばセキュリティソフトが動いたりPCのアップデートが掛かってしまってそれが邪魔をして止まってしまったり、エクセルとの兼ね合いでエクセルを開いた後に上手く処理が進まなかったり、おそらく慣れて行けば回避していけるような事なのだと思いますが、とにかくスクリプトが出来たと思っても実際に運用に至るまでの試運転とそれを受けての修正に以外に時間が掛かります。むしろそちらの方が時間が掛かる印象です。

コードを書いてシステムを開発するような高度な事と比較するのもあれですが、作った後のいわゆるバグ取りみたいなものがやっぱり時間が掛かるのでしょうかね。

貸倒損失(後半)

後半では、本に載っていた事例の中から個人的嗜好で適当に要約抜粋しようと思います。

まずは、債務者が夜逃げして行方不明となった場合はどうなるのかという事例です。

法的手続きを経ていない以上、法的手続きが貸倒の原因とはならない事から、前半で御紹介した3つの要件

①債務免除(基本通達9-6-1-4)…債務超過状態が継続し、回収不能

②事実上の貸倒れ(基本通達9-6-2)…債務者の資産状況、支払能力等からみて全額回収不能

③売掛債権の特例(基本通達9-6-3(1))…債務者の資産状況、支払能力等の悪化により取引停止

のいずれかに該当するかどうかですが、解説によると①②は会社の財務状況等が立証出来なければ適用不可、③に関しては取引停止以後1年以上経過という要件も必要なため、当該事例では直前まで取引があったので適用不可となっています。

夜逃げして急に一切連絡が取れなくなった場合は1年経とうが債務者の状況が分からないため、何れにしても③も適用出来ないのではと思うのですが、そこは解釈が違うのでしょうか。

かなり厳しいなと思います。ただ税理士さんのブログを色々と拝見させて頂くと回収努力次第では、ケースバイケースですが認められる事もあるようです。

次はトラブル債権についての事例です。もっと厳しい内容となっています。

つまり、相手方の支払拒絶により債権回収が出来ない場合ですが、解説では取引停止事由がそれでは③の適用は出来ない(国税庁質疑応答事例)という事です。夜逃げでも厳しいのにまあこれは①~③どれも要件満たさないですね。

また、安易な債権放棄もやめた方が良さそうです。貸倒損失計上事由として①が認められなかった時に寄付金扱いとなる可能性があり、金銭債権が消滅してしまうことから貸倒引当金の計上も出来なくなるようです。まあ寄付金の損金算入限度額以内の債権であれば問題無いのでしょうが…。

貸倒損失(前半)

しょっぱなのブログにて、書かせて頂きましたように、ここ最近圧倒的にインプット量が不足しているので、随時勉強(といってもほぼ読書)をしたらその都度概要を備忘的に記録してアップしていこうと思っていますが、さていつまで続けられるでしょうか。

今回読んだ本は中央経済社の「貸倒損失・貸倒引当金」です。

会計や税務では典型論点中の典型論点ですが、特に税務では貸倒処理に関して中々簡単に行かない部分もあります。

貸倒については、法人税法基本通達9-6-1~3により、それぞれ「法律上の貸倒れ」、「事実上の貸倒れ」、「形式上の貸倒れ」があり、それぞれ貸倒れ処理が出来る要件があります。

ここで、貸倒れには法的手続きを原因とする貸倒れ以外の貸倒れについても認められるのですが、

①債務免除(基本通達9-6-1-4)…債務超過状態が継続し、回収不能

②事実上の貸倒れ(基本通達9-6-2)…債務者の資産状況、支払能力等からみて全額回収不能

③売掛債権の特例(基本通達9-6-3(1))…債務者の資産状況、支払能力等の悪化により取引停止

と、それぞれ相手方の状態を立証する必要があるので、トラブルにより代金回収が出来ない場合等には、当然貸倒れ処理をするハードルが上がります。

因みに金融商品会計基準では債権の回収可能性がほとんどない場合には貸倒れ処理になるので、会計監査を受けている企業は会計に合わせられれば良いのにと別表5に記載された貸倒損失を見ながら思ったりする次第です。

RPA

日経BP社の「RPAの威力」という本を読みました。

この本自体は2017年11月に出た本なのですが、実は今RPA導入を進めており、その事もあり勉強のため読んでみました。

この本だけを読んでもRPAってRobotic Process Automationの略なのか~とか、24時間働いてくれて単純作業をずっとやり続けてくれるのか~とか浅学非才の私ではせいぜいそんな感想で終わっていたかも知れないですが、実際業務上触りながら並行して読んでいると書かれている内容で確かにそうだなと実感出来る部分は多いです。

まず考えるより触ることや、IT部門とタッグを組む等、確かに実際そうだと思います。ITに関してのリテラシーが一切無い私でも触っていれば何となくコツみたいなものは掴んできますし、出来ることもおぼろげながら分かってきたりするものです。

あとIT部門とタッグを組むというのは、おそらくこの本で書かれているのはもっと高度な領域だと思いますが、私の場合もっと低領域で例えば運用上の問題で逐一相談したり、もっというとパソコン上の設定の問題で上手くRPAが動作しない場合等に都度都度お助け願っています。(こんなのはタッグとは言わないかも知れませんが)

いずれにしてもこの本で書かれているようなところまでは全く実務上行っていませんが、便利で使えるというのは現時点初心者の私でも思うところです。

開発自体は業務でいうとまだ2,3開発しただけですが、今後各部門から集めた業務に優先順位をつけて開発していき、ゆくゆくは別の人に引き継いで更に展開という形で有効活用していきたいですね。

受取配当の益金不算入

クライアントにて受取配当の益金不算入の話が挙がったので、今更何ですが、改めて確認しました。

受取配当については、株式保有割合により、下記①~④の区分に応じて益金不算入の計算をすることとなります。

①完全子法人株式等(株式保有:100%)

…100%が益金不算入

②関連法人株式等(株式保有:1/3超100%未満)

…受取配当等-関連法人株式等に係る負債利子額が益金不算入

③その他の株式等(株式保有:5%超1/3以下)

…50%が益金不算入

④非支配目的株式等(株式保有:5%以下)

…20%が益金不算入

ここで、受取配当等に係る法人税の申告に当たり,「非支配目的株式等」に該当する受取配当等を誤って「その他の株式等」と区分し,益金不算入額を過大に計上しているケースが多く見受けられるとの記事が税務通信で記載されていました。

名称の紛らわしさからか④を誤って③で計算するケースが多いとの事ですが、申告ソフトでは①~④の記載箇所が順番に並んでおり、④の方が保有割合が低いと感覚的に認識出来そうなものなので、手書きで申告書を記載されているような会社に多いのかなと個人的に思ったりもします。