税務上ののれん

清文社の問答式法人税事例選集を読んでいて、とある問答で若干混乱したので頭を整理して備忘したいと思います。

その問答の要約としては、ざっくりですが、

問:債務超過の事業を譲受したときの営業権をどうするか?

答:営業権は税務上の適正な評価額で計上すべき、譲受対価の額が当該営業権を加味した譲受事業の適正な価額を超えているときは、当該超過額は寄付金となる。

というものでした。

そもそも税務上ののれん=営業権=資産調整勘定という安易な認識だったため、?でした。

ここで、法人税法62条の8①には営業権も資産調整勘定の計算において移転を受けた資産に含める旨記載があります。

要は無形固定資産である営業権と資産調整勘定は違うものですよという事ですね。

いずれも月割計算で60カ月に渡り損金算入することになりますので、一緒くたにしても影響なさそうですが、厳密には営業権は償却で資産調整勘定は償却ではなく減額という言い回しで、なおかつ「減額しなければならない。」と法人税法62条の8④に記載がありますので強制のようです。

あと、直前において行う事業及び当該事業に係る主要な資産又は負債のおおむね全部の移転に該当すれば超過額は資産調整勘定になると思うのですが、超過額を寄付金と回答しているためこのケースではそれには該当しないという事でしょうか。

この点は条文からは分からなかったのですが、それ以外はすっきりしました。

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