確定申告期限延長①

新型コロナウイルスの影響で確定申告期限が所得税も消費税も4月16日に延長されました。東日本大震災の時も一部地域は延長されたようですが、今回は全国が対象となっています。

延びて嬉しいという方もいるかとは思いますが、個人的にはあまり引っ張っても次に3月決算の会社が待っていることを考えればいずれにしても早く終わらさないとというところです。

4月5月になると3月決算の法人の決算申告業務が本格化しますので影響が長引けば法人についても何らかの措置が施されるんでしょうか。

輸出免税制度に係わる消費税還付

税務通信の3593号で東京地⽅裁判所において,中国⼈観光客らに免税販売を⾏った会社(原告)と国との間で,約75億円の還付申告の是⾮を巡り争われている事件についての記事が載っていました。

消費税増税後、不正事案が増えているようですが、考えてみると法人税であれば脱税をしたとしても払わなくて良い税金を払わなくて済むという事に留まりますが、消費税の場合には例えば架空の経費計上をして仕入税額控除を不正に計上すれば、本来は貰えない(返ってこない)お金が国から払われるので、税率が大きくなればそれだけ不正を行う側からしたらうまみがあるという事になるのだと思います。

詳細は分かりませんがただ単純に架空の経費計上だと、当然P/Lが不自然になり疑いの目も向けられやすくなることから、売上を免税にして表面上は適切な企業活動を行っているように見せて消費税の不正還付を行ったという事なのでしょうか。

個人借入の整理②

前回に続いての表題となります。「自己破産と借金整理を考えたら読む本」によれば、債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つに大別される旨が書かれており、そのうち任意整理、特定調停の違い等にざっくりと触れました。

今回個人再生、自己破産についてですがこれら2つについて前者と大きく違うのは債務額が免責される事にあります。但し、手続きを開始するには支払不能(一般的には、毎月の支払額の合計が手取り収入から住居費を差し引いた額の3分の1を超えている状況、但し諸々の事情を総合的に見て判断され、画一的に判断される訳ではない)である状況が必要という事のようです。

そして、個人再生と自己破産の違いはざっくりでいえば債務の一部減額か全部免責かという事になります。また、自己破産は当然資産も全て清算(但し、99万円以下の現金等自由財産は別)となりますが、個人再生の場合には住宅ローンは別債務として扱い、住宅を残す事も出来る事や、ギャンブルによる債務等は免責が認められない可能性がある自己破産と違い、個人再生の場合には免責不許可事由はありません。

いずれにしても自己破産は最終手段である以上、可能性があるのであれば任意整理等の道をまずは探る方が、後々の社会的信用等の影響を考えれば良いのでしょう。

個人借入の整理①

表題が物々しくなっていますが、事業をする上で会社の借入の個人負担なんかするとそれが結果的に自分に降りかかるという事は往々にしてあるかと思います。御多分に漏れず将来的な事を考えると私にも当然その可能性はゼロでは無い訳です。

そんな事がふとよぎった時に、自分はもし万が一、仮にそんな事になったら打つ手、打てる手についてあんまり知らんやん、という事に気づきました。そんな訳で今回はベリーベスト法律事務所が出している「自己破産と借金整理を考えたら読む本」という本を読んでみました。

そもそも段階やその時の状態によるかと思うのですが、大きく任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つの手法が紹介されています。ざーと流し読みしている感じでは左から右に行くにつれてステージが上がっていっているような感じかと思いますが、任意整理と特定調停については、得られるメリットとしては遅延損害金や将来利息の免除、長期返済による毎月返済額の減額という点で同じように記載がありますが、前者は裁判所を通さず、基本的に弁護士に間に入ってもらい私的整理をしてもらうため費用が掛かる点、後者は裁判所を通すため、何度も裁判所に通う必要が出る可能性があることや、返済が滞ると債権者側から強制執行しやすいといった点がデメリットとしてあるようです。

ただ、まだ任意整理や特定調停で行けそうな段階であれば自分次第、自分が頑張ればという印象がありますが、次回は次のステージである個人再生、自己破産に触れたいと思います。

仮払金や仮受金

勘定科目の中には「仮払金」や「仮受金」といった使いようによっては便利ですが、甘えると後々痛い目を見るものがあります。

本来の使い方としては、例えば営業マンが出張の際等に仮払金処理をして一定額を渡し、出張後の精算時に「仮払金」を消し込む、といったようなあくまで一時的な処理として使うような科目なのですが、何か分からん支払や入金の際に、時間が無いから適当に仮払金、仮受金として処理をし、それが放置されて帳簿が荒れるというケースも往々にしてあるかと思います。

かつて上場企業の経理をしていた時も、入社当初は「仮払金」や「仮受金」(でしかも補助コード「その他」)がおぞましい状態になっており、分解して消し込むのにかなり苦労した記憶があります。

頻繁に発生するものについては補助コードを付して、面倒ですが月毎にモニタリングをしていれば、後々更に面倒な事を引き起こさずに済むかと思います。

会社での役割変更

以前から書いていますように人材営業、とは言っても今はガンガン新規開拓をしているわけではなく、既存の顧客から派遣や人材紹介のオーダーを頂いてそこから投入まで繋げたり、従来の派遣スタッフの管理をしたり、といった事を会計士・税理士業務と並行して行っており、どちらかといえば会計士・税理士業務の方に比重が移っていっていました。

それが今年から管理本部へ異動となったため、今は人材関係の顧客や派遣スタッフの引継ぎを進めているような状態です。これまで中途半端に人材営業も会計・税務もやっていましたが、今後は直接的な人材営業からは離れていく事になります。(とはいっても顧問先から人材のオーダー頂ける場合等には当然、積極的に窓口になります。)

そもそも会計士・税理士から派遣や人材紹介の営業をするというキャリアを築く人は多分そうそういないかと思いますが、そんな人生を歩んでいます。今となっては少なくとも顧問先で労働法関係の事や、人材市場の状況とか相場観とか聞かれたときは当然割と答えれたりするのでそれなりにプラスになっているんだろうと思います。

ジュニアボード・マネジメント②

前回に引き続きPHP研究所のジュニアボード・マネジメントに関してです。前回はメンバー構成まででしたが、今回は進め方の概要です。

フェーズとしては、①分析フェーズ ②構想フェーズ ③実行フェーズという形になります。

①分析フェーズでは自社の現状を客観的に把握するために基本的にはSWOT分析を行います。この段階では質より量という事で、とにかくSWOTそれぞれについて数多く出すことが大事だそうです。そして、各メンバーから出てきた内容で類似のものを纏め、その後、それを踏まえて課題を構造化します。

②構想フェーズにおいては、ドメイン設定⇒ビジョン設定⇒戦略設定と進んで行きます。ドメイン設定においてはSWOT分析と同様、まずは質より量です。次にビジョン設定ではなりたい会社像を思い描き、キャッチコピーを作り実現のための目標を定めます。そして、設定されたビジョンを前提として3C(対競合、対顧客、対社内)の視点から戦略を策定します。

③実行フェーズでは部門横断的なユニットを作り、それぞれのテーマに沿った実務的な運営を行う事になります。テーマを具体的な施策に落とし込み、中長期的な目標だけだと個人のモチベーションにも影響するため、さらにそれを個人別の短期目標まで細分化する事により進める事が重要との事です。また、この段階ではジュニアボードメンバーはこのユニットの後方支援がメインとなります。

という形で実行にまで落とし込むという事ですが、当然ながら実際に行うに際しては各企業の組織環境や風土等にも影響を受けるのでそれぞれ適合するようなマイナーチェンジをしながら進める事になるのでしょう。

ジュニアボード・マネジメント①

ジュニアボード・マネジメントという本を読みました。そもそもジュニアボードとは社内の中堅クラスの社員を対象とした疑似役員会の事であり、その起源は1930年代のアメリカにあるようです。プロジェクトチームのように短期的な目的達成のためのチームというよりは主に中長期的な会社の発展に資するような役割となり、①企業経営の改革と②人材育成の役割という大きく2つの役割を担う組織となります。

ここで、上記役割のうち主たる役割は①であり、②はあくまで付随的な役割となるため、会社での立場はあくまでオフィシャルなものであり、経営企画室等に属するのではなく、社長直轄の組織であるべきだと書かれています。

そして、部門横断的な組織形態となるため、メンバー構成については各部門から必然的に集めることになりますが、緊急性が高い場合でない限りは、各部門のエース級ばかり集めるのではなく、顧客等外部との接点を持った営業担当や、上司の受けは悪いが部下からの人望が厚い人材等を混成、つまり多様な人材から構成した方が良いとの事です。

このジュニアボードの進め方については次回で書きたいと思います。