フリーランス等への交通費等の支払い

士業やフリーランスとして働く人の交通費をクライアントがそれらの人に支払う場合においては、報酬として源泉徴収の必要があります。一方で、クライアントから交通機関や宿泊施設へ直接払った場合には源泉徴収は不要となります。(所得税基本通達204-4)

税務通信3615号にこの点についての記事がありましたが、国税庁への取材により立替払いの場合は源泉徴収不要との事で確認がとれたとの事です。つまり、記事によれば領収書をクライアント名義でとり、当該クライアント名義の領収書を提出する事により精算処理を行う事で立替払いとなり、その場合は源泉徴収不要という事のようです。

領収書を自分(個人)名義かクライアント名義でとるかの違いですが、公共の交通機関でも新幹線等の長距離のものならまだしもローカル線なんかでもいちいち必要になるんでしょうか。ローカル線の運賃はそもそもクライアントへの請求の際に金額や乗降駅位の記載だけでしているケースも多いと思うのですが、この場合は立替と認められるんでしょうかね。

雇用調整助成金の計上時期

雇用調整助成金は税務上の計上時期は申請時なのか通知があった時なのか、 いつ計上すべきかについてです。

ここで、法人税の基本通達の2-1-42に「賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。」と記載があります。

雇用調整助成金についてみると、休業手当は賃金に、雇用調整助成金は雇用保険2事業の雇用安定事業として行われる助成金であるため、上記の給付金等にあたります。とすると、申請をした時でも入金があった時でも通知が来た時でもなく、原因となった休業の事実があった日の属する事業年度となります。

補足ですが、障碍者の法定雇用率を上回った結果受け取る事が出来る障碍者雇用調整金は上記の給付金等に当たらず、支給の決定を受けた時になります。これは、雇用調整助成金は費用の補填なので費用と収益を対応させるという意味合い、障碍者雇用調整金は費用の補填という性質では無いためという理由のようです。

四半期特有の会計処理(税金)②

以前に四半期特有の会計処理の税金計算について記載しました。見積実効税率を用いて税金計算を簡便的に行う方法となりますが、ここで、税前利益がマイナスとなる場合、つまり税金費用がマイナスとなる場合の相手勘定科目について議論となりました。

四半期会計基準の第14項では、「四半期貸借対照表計上額は未払法人税等その他適当な科目により、流動負債又は流動資産として表示」と記載があるので税金費用がプラスの時には未払法人税等を使うという事になるとは思いますが、マイナスの時については明確に記載がありません。

この点、「その他適当な科目」がポイントになってくるかと思うのですが、「中間財務諸表等における税効果会計に関する実務指針」の第20項において、「資産に計上される場合は、投資その他の資産の区分に繰延税金資産などその内容を示す科目をもって表示する。」と記載がある(お恥ずかしながら知りませんでした。)ので、これを参考にするのが一番良いのではという結論に達しました。まあ、確かに繰延税金資産が妥当なのでしょうね。

外貨のれん

外貨建取引等の会計処理に関する実務指針の第40項によれば、在外子会社を連結する場合に、のれんについては原則として支配獲得時に当該外国通貨で把握する。となっており、決算時においてのれんの残高については決算時為替レート、償却額については期中平均レートにて換算する旨記載されています。また、当該のれんについては、全て親会社持分に係るものであり、非支配株主持分への振替は行われません。

これは、平成20年に改正されて上記の内容になったようですが、理由としてはのれん=超過収益力は当該在外子会社に帰属する他の資産と同じだろうという事で他の資産と同様に決算日のレートで換算するべきでは等の背景があったようです。

因みにこれも第40項に記載の通りですが、償却額については期中平均レートを使用するので為替換算調整勘定が償却額の適用レート差と期首と期末の決算日レート差の両方から生じる事となります。のれんの減損をした場合も償却額と同様のレートとなり、当該レート差からも為替換算調整勘定への影響が出てくると考えられます。

雇用調整助成金の入金がありました

6月前半に雇用調整助成金の申請を行い、入金が無事ありました。弊社以外のクライアントの状況等も含めて鑑みると、当局(なのか外注業者なのか分かりませんが)はかなり柔軟かつ親切に対応されているようです。

弊社においても事業所単位での申請になるので複数申請しましたが、地域によっては不備不足の取り扱いが異なりました。例えば対象者が休業した月日について分かる資料を当初添付していなかったのですが、それでも特に問題無く入金があった申請もあれば、追加で当該資料を提出したものもありました。

取り扱いが違うとはいえ、いずれもかなり柔軟かつ親切に対応頂いているという印象でした。例えば対象となる休業日を含めるのが漏れていたが、別途添付した裏付け資料で確認が出来たのでということで、先方にて修正して頂いたりといったケースもありました。

細かく確認して、修正や追加を要請して、という事をしていてはこの御時世なので人手も足りずとても捌けないといった事情もあるのでしょうが、そんな中での丁寧な対応には頭が下がる思いです。

KAM(監査上の主要な検討事項)

KAM(監査上の主要な検討事項)についての監査報告書への記載は、2021年3月期より強制適用になりますが、経営財務の3465号によると2020年3月期の有価証券報告書にて、44社(2019年12月期で他1社あり)の早期適用が確認されているようです。

強制適用になれば、ざっくりいえば監査報告書において、監査人が監査において主要な検討事項とした内容や決定理由、当該事項への対応について記載が必要になります。これまでほとんど無限定適正意見であまり代わり映えのしない監査報告書でしたが、この制度によって監査報告書の情報提供価値がより上がるように思います。

早期適用した会社をざっと見た感じではやはりのれんの評価や固定資産減損、引当金等の見積り関係についての記載が目につきました。そのほかでは基幹システム移行リスクに関しての記載なんかもありました。割と自由な感じが現段階ではするのですが、まだこの経営財務が出た時点で45社なのでゆくゆくはある程度記載内容はスタンダードな形が出来て来るんだろうとは思います。

B/S(貸借対照表)残高の妥当性

B/S残高の妥当性と表題に記載しましたが、B/Sの科目の残高については、見積等が絡まなければ、いわゆる監査要点でいうところの実在性や網羅性、権利と義務の帰属であったりといったところが一般的に担保されていなければなりません。多くの中小企業会計においても、B/S残高についてある程度定期的な検証を行っていれば上記の点は確認されているかと思います。

しかしながら、P/L(損益計算書)を重視するあまりB/Sを検証していない等、B/Sを軽視する会社は割とあるかと思います。そういった会社は知らず知らずのうちにB/Sが荒れていき、科目残高が妥当と言えるかどうかわからなくなってしまいます。

そうなると、B/Sが合っているのかどうなのかは感覚的なものになってしまいますが、そういった会社では「でもP/Lは確認しているから大丈夫」という答えが返ってきたりします。ここで、配当の支払等を除けば、単純にB/Sの純資産の増加(=資産-負債)がP/Lの利益になる事を考えれば、B/Sが妥当かどうかわからないのにPLの数字が大丈夫と言えるのか甚だ疑問に思います。

持続化給付金調査

今日の新聞記事に持続化給付金の不正調査を開始したという記事が出ていました。制度的にも、対象者を助けるという意味であまり手間がかからずに出来るようにしたのだと思うのですが、確かに申請におけるハードルからしても不正が多発してもおかしくない給付金だろうとは思います。

実際に週刊誌か何かで、不正受給した人のインタビューが載っていたようですが、管轄省庁がそもそもこういった案件に対して調査能力においては省庁の中でトップクラスであろう国税庁(財務省)では無く、中小企業庁(経済産業省)という事もあり、インタビューを受けられた匿名の方は高を括っているようでした。

記事では複数の専従者を配置し、弁護士などの助言を受けながら作業していると載っていましたが、配置された専従者がそういった経験のある国税OBのような方なのか募集して集まったただの素人なのか、どのような人なのか分かりませんが、過去の申告を改ざんして提出し直してまでも受給するような悪質なケースもあるようなので是非とも国税庁と連携して、明らかに怪しいものをどんどん潰して行って欲しいものです。

四半期特有の会計処理(税金)①

四半期決算においては、年度の税引前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税引前四半期純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法によることができ、また、前年度末に計上された繰延税金資産及び繰延税金負債の各四半期毎の見直してにあたっては、財務諸表利用者の判断を誤らせない限り、簡便的な方法によることも認められる。( 四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針第18項 )とされています。

そして、上記の簡便的な方法というのは、経営環境や一時差異等の発生状況等について著しい変化、大幅な変動が無い場合には、前年度末の検討において使用した将来の業績予測やタックス・プランニングを利用することができ、 著しい変化、大幅な変動があれば当該影響を加味した将来の業績予測やタックス・プランニングを使用するというものです。 ( 四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針第16項,17項 )

平時であれば、永久差異や税額控除等を考慮した年間の見積実効税率を四半期税前利益に乗ずる形で、割とサクッと四半期の税金計算を行っている会社もあるかと思いますが、今回は監査上の留意事項その6に記載の通り、コロナの影響により著しい変化、大幅な変動が経営環境にも一時差異等にも生じている会社は多いかと思います。そうなるとこの四半期特有の税金計算も、コロナ影響下では平時のようにはいかないでしょう。