リーダー向け社内研修

リーダー向けの社内研修を行いました。人材育成の部署から内容はB/S(貸借対照表)についてでお願いします。という事で依頼がありましたので最初にB/Sとはなんぞやというところから簡単な財務分析の指標の説明及び演習問題、そして最後にその指標を用いた事例検証(粉飾事例)といった具合で進めました。

難しかったのは、研修の対象となる人は普段経理事務をしている訳ではなく、現業部門であったり営業職であったりといった方々だったことです。皆さん利益については常々意識されていてもB/Sという言葉をこれまで聞いた事がなく、当然複式簿記の概念自体も分からないためB/Sとはなんぞやという初っ端の説明の部分から皆さん一様に顔をしかめていたので、一瞬どうしようかと思いました。

しかしながら進めていくうちに全て理解できている訳ではないにしても、問題演習等では割と正解されていましたし、後半は体力的に厳しそうでしたが最後まで何とかくらいついて来て貰えたかと思います。今回は財務的に安定していることの重要性、また、結局は利益を上げるという事が財務の安定に繋がっていく事等とともに会社で重要視している経営指標についても再度改めて説明をする機会となったのでやって良かったと手前味噌ながら思います。

児童手当

児童手当は、日本国内に住民登録のある中学校終了までの児童を養育する場合に、その養育者に児童手当法に基づき支給されるものです。児童手当は1月あたり、3歳未満であれば1人15,000円、3歳以上は1人10,000円(但し3歳から小学生までの第3子以降は1人15,000円)が支給され、10月、2月、6月にそれぞれ4か月分ずつが支給されます。一方で所得制限もあり、前年が所得制限限度額以上であれば1月当たり、一律1人5,000円の支給となります。

ここで、この所得制限限度額については、世帯単位ではなく、通常は世帯の中で一番所得が多い人の所得が対象となり、限度額は622万円に扶養親族の人数×38万円(老人扶養親族の場合は44万円)を加えた金額となります。

所得額については児童手当法施行令第3条に定めがありますが、所得税や住民税の計算における所得計算とは異なるので注意が必要です。特に、所得控除については医療費控除やひとり親控除等は所得税の計算におけるものと同様ですが、社会保険料控除や生命保険料控除、基礎控除等がありません。(逆に施行令に定める控除8万円があります。)

つまり、所得税の計算における所得を基準に所得制限限度額を下回っていると考えていたとしても、児童手当においては実は限度額を超えてしまっていて受給額が少なくなるということが起こり得ますので注意が必要です。

譲渡制限付株式(実務対応報告第41号)

2020年1月31日付の譲渡制限付株式で書きました処理方法ですが、2021年3月1日以降に生じた取引について、実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」にて取り扱いが明確化されました。

経済産業省の「「攻めの経営」を促す役員報酬」によると、例えば報酬対価としての譲渡制限付株式交付を、事前交付で現物出資型で行う場合には、従前どおり会計上は「前払費用等××/資本××」という処理を行い、基本的に譲渡制限期間を通して前払費用を費用化していくという処理になります。実務対応報告では会社法改正で可能となった無償交付型の処理について記載がされています。

無償交付型の場合、期間を通して費用化する点では現物出資型と変わりませんが付与時の処理としては、新株発行での付与の場合では会計処理は行わず、自己株式の付与の場合は「その他資本剰余金××/自己株式」という処理を行う事になります。

また、費用化する際については、新株付与の場合は「費用××/資本××」自己株式付与の場合は「費用××/その他資本剰余金××」となり、よって未達没収時においては新株付与の場合は無償の自己株式の増加、自己株式付与の場合は付与時の簿価ベースで「自己株式××/その他資本剰余金」という対応分を戻す処理を行うようです。