繰越外国税額控除に係る税効果会計

外国子会社からの受取配当金でも少し出ましたが外国税額控除という制度があります。これは国外で納付された所得に対して国内でも税が課されると2重課税となってしまうため、課税の重複を排除するための制度になります。

当該税額控除を行うためには、国外源泉所得等から控除限度額を計算し、その範囲で納付された外国税額を法人税や住民税から控除する事になります。そして、控除限度額を超える部分については当該事業年度では控除されずに翌事業年度以降3年間の限度内で控除可能となります。

ここで、当該超過額に対して翌期以降の回収可能性があるのであれば、翌事業年度以降の納付すべき税額の減額する効果が有するため、税効果会計の適用により繰延税金資産を計上する事が出来ます。

但し、当該回収可能性関しては、適切なタックスプランニングにより、将来において十分な国外源泉所得が稼得されること及び我が国の税率よりも低い税率が適用される国の国外源泉所得が確実に予想されるなど、繰越外国税額控除の実現が確実に見込まれる場合に、見込まれる額まで繰延税金資産を計上する。(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針第118項)とされています。

新しい生活様式支援(滋賀県)

滋賀県内に事業所を有する中小企業等向けの制度である「新しい生活様式支援」の申請を行いました。上限10万円までコロナ対策に要した費用等について助成を受けることが出来る大変有難い制度です。 弊社は滋賀支社のアクリル板と間仕切りを購入し、その購入費用を申請させて頂きました。

必要書類としては、領収書、定款又は登記簿、BS、PL、代表者確認出来る免許証等、振込先口座の通帳の写真等を添付する事で割りとさくっと申請自体は完了しました。

とはいえ申請自体はさくっと行きましたが、そのままさくっと通るかどうかはどのような運用がされているかによるのでこれからです。家賃支援給付金は前回も書きましたが、審査している人達はどんな些末なものでも指摘を上げるようにノルマが課せられているのかという位、どうでもいい全く本質とはかけ離れた指摘をするようですので、この助成金もJTBが滋賀県より委託されて実施しているようですが、くれぐれも家賃支援給付金のような意味不明な指摘だけは勘弁願いたいところです。

続・家賃支援給付金

以前書きました家賃支援給付金の申請は持続化給付金とは比べ物にならないくらい面倒そうです。面倒というのは現時点で支援先で色々あっての事なのですが流れとしては、

  1. 不備有のメール⇒どこが不備か不明の為、電話での問い合わせ
  2. 部署が違うので後日電話します
  3. 数日後に電話で(その修正必要?という)不備を教えて貰いその箇所を修正
  4. 修正後何の音沙汰も無いので問合せするも、修正確認済みなのでもう少し待ってくださいとの事
  5. そこから1~2週間後に修正はその後如何でしょうかとの先方からの電話
  6. 少し前に修正箇所を教えて頂き、修正して提出してます、もう少し待ってくださいと仰いましたよね、と言うとあれ?との事
  7. 良く良く聞くと修正後更に修正箇所が見つかったようなのでメールが行っているはずだがという点でのあれ?という事
  8. 今回も修正箇所を教えて貰うも前回に続きこちらからするとその修正が何か意味あるんですかという内容

その方は少しイラっとしてしまい、なんでこちらは都度確認しているのにこんな事になるんでしょうと聞くも、どうも問合せを受けるセクション、修正内容を伝えるセクション、メールを送るセクション、確認をするセクションがどれも違う受託会社だそうです笑

会社名は明かせないとの事でしたが、だから他のフェーズについては分からない、つまり修正確認済みなので待ってくださいと答えた理由も、修正内容が増えた理由も、再度の修正メールが行かなかった理由も、それぞれ別の会社なので再修正の内容を教えてくれた方は判断基準は分からないという事です。

修正内容についても、これ何の意味があるんですかね、と聞いても正直意味は無いと思うが別の会社の方が確認しているので…という回答だったようで、うーん、なんかイラっとしても文句も言えない形に分業されているのか、すごいなと思って正直笑うしかなかったです。

ただ誤解なきように補足すると話を聞く限り、それぞれ直接応対される御担当者の方々は自分の職責を全うされているのだと感じました。ただその点と点を本来であれば繋ぐ線がほぼ機能していない(連携は正直ないとぶっちゃけておられたようで…)という部分が、翻ってそのご担当者の方々に跳ね返ってくる現実が往々にしてあるんだと思います。実際クレームは結構あるんだそうで…まあ受託会社からしたら線を繋いで責任の所在を明確にするより、そこをぼかして曖昧にする方が都合が良いのであえてそうしているのかも知れないですね。

人材紹介受注の判断軸

公認会計士・税理士としての活動をしつつ、人材会社にも所属していますので、例えばクライアントから工場の人員が辞めてしまったので、人材紹介して貰えますかというご依頼を頂く事もあります。

会社の内情を知らず、人材営業だけの関係であれば、「かしこまりました。すぐに求人の手配を致します。」と意気揚々と返事するのでしょうが、この御時世で会社の業績等を把握出来る立場にある顧問契約先の場合は、正直複雑な気持ちになります。

こういった場合には当然の事ながら、その会社にとって何が良いのかという判断軸になります。実際に本当に人材が必要ですか、今の生産量なら今の人員でもやりくりできるのではないですか、という話をする事もあります。

色々話をした結果として、それでもやはり必要という結論であれば後は全力で適した人材を御紹介させて頂くのみです。しかしながらやはり複雑な気持ちではあります…

債権譲渡担保

日経トップリーダー10月号で与信管理についての記事がありました。その中で「押さえておきたい4つの登記簿」として、商業登記簿、不動産登記簿、動産譲渡登記簿、債権譲渡登記簿があげられていました。

商業登記簿と不動産登記簿は良いとしても私的には動産登記簿、債権譲渡登記簿は聞きなれない登記簿です。ただ債権譲渡という言葉でふと思い出した事があります。債権譲渡担保という言葉を最近聞く事があり、それを少し調べた経緯があったからです。

例えば借入をする場合、不動産を担保として借入をする事もあると思いますが、取引においても仕入額が多額になる場合等には与信管理上担保を取る事があり、不動産を担保にすることが出来ない場合には、将来発生する債権も含め、債権を担保とする事も出来るという事です。そしてこの場合には第三者への対抗要件として登記をするケースが多いと・・

当然支払遅延等の債務不履行がある場合に効力が発生する事になりますが、譲受人である債権者から見れば債務者である債権の譲渡人が何かあった時においても回収できる可能性を高める事にもなるため有効な手段のようです。ただ登記する以上は誰でも見る事が出来るようになるので、与信管理で定期的に債権譲渡登記簿を確認していた先に急にこの登記が現れると何かあったのではないかと勘繰られる事もあるようです。

借入金の額について

コロナ特別貸付等により、コロナ前は業績が問題無かったような会社であれば金融機関からの融資は受けやすくなっているという現状は以前に書いた通りですが、では借入はどれくらいしておけば良いのかという論点があるかと思います。

昔会計士の受験生時代に基礎期の簿記の講師が「会社はいくら損失を出しても倒産しません。倒産するのはキャッシュが無くなった時です。ですので利益が出ていてもキャッシュが無くなれば潰れてしまいます。これがいわゆる黒字倒産です。」というような事を言っていたのを聞いて、当時大学生だった私はそうなんだと感心した記憶があります。

つまり、潰れないように借入をしないといけないという事ですが、逆に借り過ぎてしまうと、当然その返済期限はやってきますのでその時にたくさん返さないと行けなくなるという事態にもなってしまいます。

この点、短期的な財務指標としては、流動比率や当座比率というような指標がありますが、それらは一般的に100%を超えていればひとまず短期的に安全だと言われたりします。また、少し前になりますが日経トップリーターの7月号では、執筆されている税理士先生が今は借りれるだけ借りる、総資産の1/3以上の現預金を持ちましょうと書かれています。

考え方は様々かと思いますが、概ね金融機関の融資姿勢も来年以降厳しくなってくると巷では言われているようですので、これだけあれば当面は大丈夫という水準よりも多めに融資を受けておく事が今の時期は必要なのではないかと思います。

工場の生産性

工場の生産性と言えば生産効率という事になるかと思います。つまり生産性を上げるという事は品質面を落とさずに、生産の効率を向上させるというという事になるかと思います。ここで、この工場の生産性を上げるにはどういう指標で管理すれば良いかという質問を頂く事があります。

指標というと、例えば京セラの創業者の稲盛さんの著書「実学」にあるような時間当り採算制度のようなものがあると思いますが、まだ何も指標が設けられておらず、どうしようというような場合には、とりあえず時間当りの人時生産性をとったらどうでしょうというお話をしています。弊社においても、生産性の指標として用いていますが、何より指標としては簡単に算出出来ます。算出方法は基本的に、生産量(金額)を生産に携わった人×時間で割るだけです。これで、1人の人が1時間でどれだけアウトプットしたかを算出し、あらかじめ設けた基準と比較して改善点は無いのかを探るという事になります。

ここで、同じような概念の指標を月次単位で算出して報告しているようなケースがあるかと思いますが、1ヶ月単位で見てもリアルな状況は掴めないため、やはり日々もしくは1日に何度かデータをとってタイムリーな生産性を把握する必要があるかと思います。

社内研修の講師をしました

初めて社内での研修の講師をさせて頂きました。今後こうゆう機会は増えてくると思うのですが、なんせ初めてでかつオンラインでの研修なので始まるまでは、上手く出来るのか緊張しました。

始まってしまえば緊張も無くなりましたが、上手く伝える事が出来たのか気になるところです。因みにテーマは「利益について」でした。利益の基本の部分について60分程の研修でしたがあっという間に終わりました。

後で録画を見返しましたが、自分の声に慣れていないのもあるのでしょうが、続けて見てられないくらい自分の声もそうですし話し方も気持ち悪く感じます。これは技術的な事なのか慣れなのか、それでも頑張って見返しましたが、やはりアドリブで話した部分が多かったせいかこれでは伝わりにくいかなという部分もあり、反省です。

海外子会社からの配当

海外子会社(基本的に出資比率25%以上で保有期間6カ月以上、但し租税条約により異なる場合あり)からの配当については、95%が益金不算入になります。これは、既に子会社で負担した法人税に追加して、その配当金についても日本で法人税を負担する事になると2重課税となるため、それを排除する趣旨となります。従って、配当金の支払いが損金となるような国からの配当については益金不算入とはなりません。そして、益金不算入とされた配当についての源泉税については、外国税額控除を受ける事も、損金算入することも出来ない事になります。

会計上においては、連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針によると、通常、親会社は子会社の留保利益を回収するものであるので、原則として認識することとする。(第30項)となっており、将来の配当により親会社において追加納付が発生すると見込まれる税金額、つまり益金算入額の5%部分に法定実効税率を乗じた額と配当に対して課される外国源泉所得税について繰延税金負債に計上する(第35項、36項)事となります。

但し、親会社が当該子会社の利益を配当しない方針をとっている場合又は子会社の利益を配当しないという他の株主等との間に合意がある場合等には、配当をしない方針である以上、配当に伴う課税関係が生じない可能性が高いため、繰延税金負債の計上を要しません。(第35項)

棚卸資産の評価損

会計上は棚卸資産の評価に関する会計基準により、収益性の低下により投資額の回収が見込めない場合には棚卸資産の簿価を切り下げなくてはいけません。一方で、税務上は変更承認申請を提出する事により低価法を適用する事が出来ますが、申請書を提出すれば会計上評価損としたものが税務上も必ず認められるかと言えばそう単純ではありません。

例えば会計上は滞留年数の区分によって、切り下げの割合を画一的に決めて簿価切り下げの処理をしていたとします。しかしながら当然この取り扱いによった切り下げ後の簿価は、各商品毎に時価を見積もった訳では無いため、その切り下げ後の簿価を疎明する事は困難となります。

つまりこういった場合、税務上においては例え申請をしていたとしてもその切り下げ額について後々調査等で指摘を受けて損金算入が認められない可能性が出て来るので、税務上の取り扱いについては注意が必要です。