しょっぱなのブログにて、書かせて頂きましたように、ここ最近圧倒的にインプット量が不足しているので、随時勉強(といってもほぼ読書)をしたらその都度概要を備忘的に記録してアップしていこうと思っていますが、さていつまで続けられるでしょうか。
今回読んだ本は中央経済社の「貸倒損失・貸倒引当金」です。
会計や税務では典型論点中の典型論点ですが、特に税務では貸倒処理に関して中々簡単に行かない部分もあります。
貸倒については、法人税法基本通達9-6-1~3により、それぞれ「法律上の貸倒れ」、「事実上の貸倒れ」、「形式上の貸倒れ」があり、それぞれ貸倒れ処理が出来る要件があります。
ここで、貸倒れには法的手続きを原因とする貸倒れ以外の貸倒れについても認められるのですが、
①債務免除(基本通達9-6-1-4)…債務超過状態が継続し、回収不能
②事実上の貸倒れ(基本通達9-6-2)…債務者の資産状況、支払能力等からみて全額回収不能
③売掛債権の特例(基本通達9-6-3(1))…債務者の資産状況、支払能力等の悪化により取引停止
と、それぞれ相手方の状態を立証する必要があるので、トラブルにより代金回収が出来ない場合等には、当然貸倒れ処理をするハードルが上がります。
因みに金融商品会計基準では債権の回収可能性がほとんどない場合には貸倒れ処理になるので、会計監査を受けている企業は会計に合わせられれば良いのにと別表5に記載された貸倒損失を見ながら思ったりする次第です。