有価証券報告書の3月決算の会社の他社事例を検索していると、6月前半にも関わらず提出されている会社がありました。その会社には2種類あり、既に提出前に株主総会が終わっている会社、そして株主総会の前に有価証券報告書を提出した会社です。
ここで、3月決算の会社は通常は遅くとも3カ月以内の6月中には株主総会を行う必要があるため、6月に行う会社が多いですが手続きに問題が無ければ5月に行う事は何ら問題はありません。一方、後者の株主総会前に有価証券報告書を提出するというのは昔はダメでしたが、今は法的にも問題ありません。
しかしながら、そもそも決算を締めて決算短信、事業報告や計算書類等の作成を短期間で行い、当然監査も受けるというタイトな決算のプロセスの中で、有価証券報告書も作成するというのは時間的にもかなり厳しいはずです。また、株主総会前に有価証券報告書を提出するには役員の一覧等、議案承認が前提としての記載等を一部含むことになり、万が一否決された時などはその後臨時報告書等の手続きが面倒という事もあるかと思います。
とはいえ、株主総会前に決算短信や計算書類等よりも情報量の多い有価証券報告書を閲覧出来ることは株主への情報提供という観点でより資するものであるというのは当然あると思います。