少子高齢化の進展もあり、後継者がいないために事業廃止を検討されている経営者の方も多いと思いますが、事業を廃止=会社を清算した場合にはどのような課税関係となるのでしょうか。
単純なケース(清算直前の純資産=残余財産の分配額)を想定しますと、例えば設立時から資本金の金額は変わらず、株式は100%社長が持っていた場合に会社を清算すると、残余財産の分配額から資本金の額を控除した額はみなし配当となり、社長の配当所得として課税される事となります。非上場会社の配当所得は、確定申告不要制度の金額を超える場合に総合課税となりますが、みなし配当となる場合にその金額内に収まる事は稀だと思いますので、基本的に累進課税により課税される事となります。
そうすると、 費用を計上して清算直前の純資産を少しでも減らせばみなし配当の額も少なくなりますので所得税は減る事になりますが、1つの方法として役員退職金を貰ってから清算するという形が知れ渡った方法かも知れませんが、有利になる可能性が高い方法としてあります。
この場合、退職金なので当然社長の退職所得となりますが、退職所得は(収入金額-勤続年数に応じた退職所得控除)×1/2で計算されるので、上手く使えば節税して清算する事が出来るのです。