収益認識基準が2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から強制適用されることとなり、会計上は、原則的取り扱い・経過措置にかかわらず、遡及修正により期首剰余金及び貸借対照表の関係科目の金額が変わることになります。
一方で法人税法上は遡及適用という考え方はないため、当然前事業年度末の利益積立金額が当事業年度の期首の利益積立金額と一致することになります。したがって,適用初年度の法人税申告書の別表5(1)の期首現在利益積立金額の箇所で、一定の資産科目または負債科目と繰越損益金の項目の箇所に調整を入れることとなり、期首現在利益積立金額のトータルの数字は、前事業年度末の利益積立金額と同額となることとなります。
つまり例えば出荷基準から検収基準に変更したことにより、売上が500、売上原価が300遡及修正により減額(ここでは税効果等は無視)され、会計上の利益剰余金期首残高が△200修正された場合を考えると、税務上は前期の申告書の別表5(1) 差引翌期首現在利益積立金額に戻すべく、当期申告書の別表5(1)の期首現在利益積立金額の箇所で+200の調整を行うことになります。