自己株式の低廉取得

事業承継の際においても自己株式の取得は1つの方法として用いられる事がありますが、今回は自己株式の取得を時価よりも低い価額で取得した場合の処理についてです。

この点、取得する法人については、自己株式の取得は資本取引であり、低額で取得したことによって基本的には受贈益の認識は必要ないとされています。但し、あくまで基本的にであって状況によっては認識が必要な場合がある点について触れられている方もおられます。そして、計算された資本金等の減少額よりも取得するための交付金銭等(払戻額)が小さい場合には、全額が資本金等の減少となりみなし配当も生じない事になります。

一方で譲渡したのが例えば個人である場合で時価よりも著しく低い価額(1/2未満)での譲渡の場合には時価で譲渡されたものとみなされます。(所得税法59条1項2号)また、他の株主が親族であるような場合には、低額譲渡により他の株主の持ち株の価値が増すと考えられるためみなし贈与となり、贈与税が課される可能性が考えられます。(相続税法基本通達9-2)

社内研修の講師をしました(3回目)

昨日23日に3回目の社内研修講師を実施。前半は前期の決算内容の概括説明から当期実績の利益率の変化についてグループディスカッションで話合って貰い、後半は先日書きました予算についての大枠について触れました。

今回は一番上のカテゴリーグループでしたが、少し用意した研修内容のレベル感が低かったように思い、反省です。グループディスカッションを経ての指名回答でも、ほぼほぼこちらで想定していた内容を超える答えが返ってきました。

とはいえ、研修を受けて学んだ事よりもその先の部分について考えて頂く方が大事だと思います。カテゴリーを3つに分けての「利益」についての研修も今回が最後となりましたが、私自身研修を通して成長できた良い機会だったと思います。

今後も研修講師をする機会は幾度となくあるかと思いますが、内容をより良いものにして行きたいと思います。

給与システム移行

現行の給与システムや業務フローの見直しを行っています。そもそも現状のまま続ける事自体が効率性は勿論の事、将来的に考えても他にも問題があるために移行するのですが、現場単位で所定労働時間等のマスタが異なってくるため、ひとまずは母体数が上位のマスタから移行を進めようとしています。

とはいえそこそこの人数のマスタを新システムへ移行したりだとか、業務フローの間に社内開発システムをかませてなるべく人の手を介在させない形に持っていくのは弊事務所にも参画してくれているSEの藤井の力が無ければできない事です。(因みに今のフローは人手の介在箇所がすごく多い)

想定通りに移行出来れば、諸々の効果が得られるはずです。

社内研修講師3回目の準備

来週11月23日月曜日に自分にとっては3回目となる社内研修の講師を行います。次は社員を3グループに分けた一番上のカテゴリー向けの研修となります。大枠のテーマとしては、利益についての研修となりますが、丁度来期の予算策定の時期でもあるため、予算について講義しようと思っています。

以前予算について書いたことがありますが、予算の策定方法についてどう進めたら良いかや、どんな予算であればモチベーションに繋がるか等をグループで考えて貰おうと考えています。

予算をどんな形にするのかは会社によって自由だと思っています。それよりもその作った予算をどう活かすかという事の方がよっぽど重要です。形だけ作ってその後せいぜい銀行に出すくらいで、何も使われない予算であれば仏作って魂入れずです。

雇用保険の非該当承認申請

現状雇用調整助成金は、基本的に雇用保険の事業所番号を持っている事業所単位で要件を満たせば申請出来る事になります。そのため、例えば法人全体を1つの雇用保険の適用事業所としている場合では、法人全体で要件を満たしていなければなりません。例えば複数店舗を有しており、店舗ごとを見れば要件を満たす店舗があっても、この場合申請出来ないことになります。

ここで、雇用保険の非該当承認申請という申請制度があります。これは、対象事業所が人事、経理、経営又は業務上の指揮監督、賃金の計算、支払等に独立性がないこと等の要件を満たす場合に申請が可能となり、当該申請が承認された場合には、正式に当該事業所についての雇用保険関係事務は組織上上位に位置する事業所で取り扱うことになります。(因みに労災保険料率が同じ複数事業所について認められる継続事業の一括とは異なる制度です。)

そして、この非該当承認申請を受けた事業所については、雇用保険の事業所番号を持っていないにもかかわらず、要件を満たせば雇用調整助成金の申請が当該事業所単位で可能となります。もしかしたら当該申請により、雇用調整助成金を受給できる可能性が出る会社もあるのでは無いでしょうか。

雇用促進支援金

新型コロナウイルス影響下での大阪府の失業対策として、OSAKA求職者支援コンソーシアムに登録している民間人材サービス事業者を通して雇用保険の対象となる人を採用し、3カ月以上継続雇用しした場合に正規雇用で25万円、非正規雇用で12.5万円の雇用促進支援金が受けられるようです。

また、大阪府に住んでいる人を雇用した場合は大阪府の会社でなくても受け取る事が出来るとの事です。元々求人をしようとしていて、有料掲載を考えていたような会社にとっては、どちらにしてもかかる掲載料にたいして採用が上手く行けばお金が入ってくるため、助かるのでは無いでしょうか。

登録している人材サービス事業者の中には、成功報酬型の会社もあるのでいわゆる掛け捨てになる掲載だけでは無く、人材紹介という形でも支援金を受けられるようです。

社会保険労務士試験合格

本日社労士試験の合格発表があり、無事合格していました。無事、というよりは何とかと言うべきで、選択式の「社会保険に関する一般常識」(いわゆる社一)の基準点引き下げに助けられた形です。試験を受けた当時は、この「社一」では無く、「労働に関する一般常識」(いわゆる労一)の問題を見た瞬間に意識が飛びそうになり、一旦見なかった事にして試験を進めた事も今や思い出です。

家に帰って採点をしてみると何と「労一」に関しては奇跡的に基準点取れており、「労一」のインパクトが大きすぎて、試験中は特に気にかからなかった「社一」が基準点割れを起こしているという状況が分かり、また意識が飛びかけたのを酒を飲んで何とか抑えたのを覚えています。

社労士試験は試験が終わった後に、特に選択式の基準点引き下げがどの科目になるのかという予想合戦が各予備校やブロガーの方の間で行われ、大体試験後1ヶ月位は色んなブログ等を見て「社一」の基準点引き下げ可能性についての言及をむさぼるように見ていました。(その後は予備校データも出揃って目新しさも無くなってきたのであまり見なくなりましたが…)

何れにしても合格出来たことは出発点なので、今の会計や税務、人材関連のサービスに更なる付加価値を付けられるように更に精進していくのみです。

社内研修の講師をしました(2回目)

社内研修の講師をしました。今回は前回書いた通りCVP分析をメインにしての研修でした。自己紹介から利益を積上げる事の意味をグループディスカッションをして考えて貰い、前年度のPL要約を用いて自社の損益の構成を説明し、その後CVP分析に繋げて講義しました。そして最後には問題を解いてもらい、Zoomの投票機能を使って4択で答えを選んで貰いました。

問題は20分かけて解いて貰いましたが、最後の問題は少し難易度的に厳しいかと考えていましたが意外にも正答率は高く、少し嬉しい驚きでした。また11月23日にも今度は3グループに分けた一番上のカテゴリー向けの研修を行いますが、内容についてもまた考えていかないといけません。

自社の研修による底上げに加えて自分自身が研修の講師として成長出来る良い機会ですので引き続き頑張らないといけません。