コロナ特別貸付等により、コロナ前は業績が問題無かったような会社であれば金融機関からの融資は受けやすくなっているという現状は以前に書いた通りですが、では借入はどれくらいしておけば良いのかという論点があるかと思います。
昔会計士の受験生時代に基礎期の簿記の講師が「会社はいくら損失を出しても倒産しません。倒産するのはキャッシュが無くなった時です。ですので利益が出ていてもキャッシュが無くなれば潰れてしまいます。これがいわゆる黒字倒産です。」というような事を言っていたのを聞いて、当時大学生だった私はそうなんだと感心した記憶があります。
つまり、潰れないように借入をしないといけないという事ですが、逆に借り過ぎてしまうと、当然その返済期限はやってきますのでその時にたくさん返さないと行けなくなるという事態にもなってしまいます。
この点、短期的な財務指標としては、流動比率や当座比率というような指標がありますが、それらは一般的に100%を超えていればひとまず短期的に安全だと言われたりします。また、少し前になりますが日経トップリーターの7月号では、執筆されている税理士先生が今は借りれるだけ借りる、総資産の1/3以上の現預金を持ちましょうと書かれています。
考え方は様々かと思いますが、概ね金融機関の融資姿勢も来年以降厳しくなってくると巷では言われているようですので、これだけあれば当面は大丈夫という水準よりも多めに融資を受けておく事が今の時期は必要なのではないかと思います。