消費税の脱税

税務通信3609号の記事にまた消費税の脱税事例が載っています。告発事例として、どうやら3課税期間の消費税4,700万円が無申告だったようです。告発されたのは人材派遣会社のようですが、3期間で4,700万円ということは1期平均1,500~1,600万円でこれを8%で割り返すと約2億円になります。これは課税売上割合を仮に無視すると、課税売上から課税仕入を控除した額が約2億円という事になりますが、人材派遣業なので労働分配率が高く、課税仕入がそれ程ないとしてもそこそこの規模になります。

法人税も同様に無申告だったのかどうかは記載が見当たりませんが、ネットのニュース媒体にもあった記事によると平成21年の設立以来無申告だったとの事です。これくらいの規模の会社で知らなかったという事は無いでしょうから故意に無申告だった可能性が高いと思いますが、同業なのでこういう理由なのでは、と勝手に考えるところでは、人材派遣業の場合、上記の通り労働分配率が高いため、赤字でも消費税の支払が発生することは往々にしてあると思います。ざっくり言えば本来売上で受け取った消費税と経費等で支払った消費税の差額を納める制度になるのですが、いわば預かったお金を後で払う形になるため、赤字で資金繰りも困っているのに消費税は払わないといけないというのが地味にきつかったりするという事は大いにあると思います。

法人税の申告は行っていたのであればもっと早くに指摘を受けていたと考えられますので法人税も申告していなかったのでしょうか。そうだとすると法人税については触れられていなかったので利益(所得)は出ていなかったんでしょうかね。

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