繰延税金資産の計上①

繰延税金資産、繰延税金負債という勘定科目がありますが、これは税効果会計に係る会計基準に基づいて、繰延税金資産は一種の税金の前払の性質を持つもので、繰延税金負債は逆に税金の後払いの性質のを持つものです。

例えば賞与引当金についてみると、会計上は費用処理されたものを税務上は否認処理し、確定債務となった段階で税務上も損金計上しますので、会計上と税務上の費用計上のタイミングが異なり、有税処理された賞与引当金は後から税務上損金となって、税金を削減する効果は遅れてやってきます。そこで、賞与引当金を会計上で計上する段階で将来の税金削減効果を見越して繰延税金資産を計上するのですが、当分課税所得が発生する見込みが全く無い会社等は実際税金削減効果を有しない、といった事も考えられるので繰延税金資産の計上は特に回収可能性の観点から、その計上について検討を要する事になります。

一方、繰延税金負債は基本的に税務上の所得となる時期が会計より遅れてやってくるので、有価証券報告書の税効果注記の明細を見ても、海外の子会社を有していたりしなければ特にですが、明細の項目数としては繰延税金資産の明細と比べても少ない事がほとんどのはずです。

これは、会計上は保守主義の原則により、費用計上するタイミングが税務上よりも早い事が多いのが大きな要因かと思います。

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