税務通信の3607号に「特別手当と標準報酬月額の随時改定」という記事が載っていました。随時改定なので健康保険についての記事ですが、要は緊急事態宣言発令中でも、医療従事者等で活躍した方が限定的に特別手当を数カ月受け取った場合に、健康保険法の随時改定によって標準報酬月額が一時的に上がるのでご留意くださいという内容です。
そもそも随時改定とは、①固定的賃金に変動があり、②継続した3カ月間の全ての月の報酬支払基礎日数(勤務日数、一時帰休で休業手当を受けた日を含む)が17日以上、③従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じる、ような場合に健康保険料の料率を掛ける大元の標準報酬月額が改定されるというものです。
記事では標準報酬月額が上がるような内容でしたが、当然この御時世だと一時帰休で下がるような人もおられると思います。一時帰休により、例えば労基法で定められた最低限の休業手当しか受け取れないような場合で上記の3要件に当てはまれば、下に改定される事になります。
ここで、随時改定ではなく毎年7月1日時点の在籍者に対して、定期的に行われる定時決定の際に、定時決定の対象月(4月~6月)の中で一時帰休が行われて報酬が下がっていたとしても、例えば6月で一時帰休による報酬減の状況が解消しており、7月から元の給与に戻るような場合には本来の給与(9月以後において受けるべき報酬)で報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定することになりますので注意が必要です。