役員報酬の未払計上

例えば、給与の計算期間が末締めの翌月払いであるような場合には、従業員給与は月末時点で確定債務となり、未払計上されるのが通常だと思いますが、役員報酬も給与と同様に当初より末締めの翌月払いという実務を行っていた場合に未払計上は認められるのかという疑問があります。

ここで、株式会社の役員は会社との関係でいえば委任契約であり、雇用契約ではありません。契約関係が異なる事により、当該未払処理が異なってくるのか否かですが、見解は分かれているようです。ネット等で色々調べてみると、未払計上出来ない派は、たいていの理由は委任契約だから末締め等の概念が無いためとの事のようで、未払計上問題無い派は、委任契約であれ、末時点で債務が確定しているので当然未払計上可能だという事のようです。念のため、国税局の電話相談センターにも問合せをしてみましたが、2回電話させて頂いて1回目がまあ問題無いだろうという事で、2回目が委任契約なので本来は末締めという概念は出ないが、実務上未払計上で従来より処理している場合に、税務調査等においてそこをどうこうという事はまずないと思うので大丈夫だろうという事を丁寧に説明頂きました。

そもそも民法によれば、「受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。」(民法648条2項)となっていますが、会社との間で末日を区切りとしているならば私は末日を持って債務が確定するという考えで良いのでは無いかと思います。実際役員報酬の未払計上のケースはあまり見ないですが、税理士との顧問契約は、こちらも委任契約になりますが、こちらは末締めで未払計上するケースを割と見る事があります。

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